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はじめに

 1980年代に、私は黄金比や植物の葉の生え方がフィボナッチ数列と深く関係していること、マンデルブロー集合やフラクタルなど規則的なのか不規則なのかがハッキリとしない図形などに興味を持ったことがあります。またその頃に1/f ゆらぎで回る扇風機が発売されたこともあり、こういうゆらぎとはどういうものなんだろうかと思い調べてゆくうちに、まだその機構が良く分かっていないことに驚き、またこのゆらぎが予測可能性と予測不可能性の中間であることにも気づきました。このようなことから1/f ゆらぎの問題が心に深く残り、折を見ては考えをまとめてきましたが、確信を持てる結論には至りませんでした。退職後幸い時間に少し余裕が出て、それまで気になっていたことに取り組むことができるようになりました。様々な試みの結果、因果関係の大きな連鎖がありその連鎖上の一部の現象のみの観測ということが1/f ゆらぎの本質であるという結論に達し、またこれは仏教の根本の考えである「縁起の法」とも相性が良いことにも気づきました。そこでこれらの結果を興味のある方とも共有したいと思いサイトを作りました。読んでいただければ幸いです。興味を持てない部分は読み飛ばしていただいても結構です。

 

 

 

概要

 

 

 

 気温や風速、河川の水量などは一定ではなく、ある値の周りを時々刻々と一見不規則に変化している。この変化を「ゆらぎ(fluctuation)」と称し日常生活で度々目にするが普段はあまり注目されない。ゆらぎは「雑音」とも称されるが、その場合には様々な音が不規則に聞こえるような感じを与えて不愉快な音として敬遠される。ゆらぎにはその他にもいくつかの種類があり、それらは雑音という言葉からイメージされるような不規則なものばかりではなく、多くの場合一種の規則性を持っていることが多い。今回特に注目する「1/ゆらぎ」は上記のいわゆる雑音とは異なり、通常は我々に心地よい効果を及ぼすものが多い。本文ではそれらについて例示し考察を加え、最後に仏教的解釈へと進めてゆく。内容は、

Ⅰ.1/ゆらぎとは何か。

  Ⅱ.1/f ゆらぎと仏教

​  Ⅲ.参考資料

である。

​ まず「1/ゆらぎとは何か」では、身の周りにある1/ゆらぎの数々を示して、それが我々の生活に深い影響を及ぼしていることやその他のゆらぎとどの様に異なるか、またそのゆらぎを説明するモデルやフラクタルとの関連性などの説明をする。「1/ゆらぎと仏教」では、仏教の唯識論や時間空間の問題にも触れた後、1/ゆらぎが仏教の縁起の法と密接に関連していることを述べる。最後の「参考資料」には1/f ゆらぎの詳しい理論の英文論文とその日本語訳のpdfファイルを載せている。

 これらの議論をもっと分かりやすく説明するために、

      https://note.com/fluctuation/

にはブログ形式で記事を載せている。

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